浮気をする人の脳内構造に共通点?脳科学からみる浮気の実態

2018.3.5
複数の脳のレントゲンを指差す医師の手

何度も不倫報道をされている有名人は、だれもが一人は思い浮かべられるのではないでしょうか。

そのような人は貞操観念に問題があるといったレッテルを張られがちですが、一部の研究では、不倫を何度もする人の脳内構造には特殊な共通点が存在することが報告されており、貞操観念だけの問題とは言い切れないかもしれません。ここではそんな不倫と脳科学の関係性について解説していきます。

恋愛を生み出す島皮質とは?

人間が不倫に至るときの脳の働きについて考える際、脳内の「島皮質」という箇所の働きについて知っておかなければなりません。

脳内の辺縁葉と呼ばれるグループに分類される島皮質は、外部からの痛み、かゆみ、恐怖、そして性的感触といった感覚を伴う刺激を脳内で変換し、欲求や欲望へと変換します。例えば、体の特定の箇所にかゆみを感じた際に、その箇所を掻きたいという欲求が生じるのは島皮質の働きによるものです。

この島皮質の働きは、恋愛における欲求にも大きく関係します。例えば、好みの異性に出会ったときに、その人と交際したい、あるいは性的関係を結びたいといった欲求が生じることもまた、、島皮質の働きによるものとなります。

このことから、島皮質の働きは、恋愛における初期的かつ衝動的な欲求の根源となっており、島皮質こそが恋愛を生み出しているといっても過言ではありません。また、島皮質の働きは結婚をしたり、年齢を重ねたりするだけで鈍化することはないため、不倫に対して生じる欲求もまた、この島皮質の働きが影響しているといえるでしょう。

男性は島皮質の働きが活発

一方で島皮質の働きは、女性よりも男性のほうが活発であるとされています。このことはギャンブルやアルコールなどの依存症が男性に特に多いことからも説明がつきます。

通常、ギャンブルやアルコールなどの依存症は、それらが脳内に刺激をもたらすことで島皮質の働きがより活発になり、さらにギャンブル、アルコールなどを欲してしまうという悪循環が生じることで、その症状も重症化してしまいます。このような状態に陥ってしまうと、倫理観や自制心の力は皆無に等しくなってしまい、自力では依存対象そのものとの関係を断ち切ることが困難となってしまいます。

このことを不倫に置き換えてみると、好みの女性と出会い、親しくなると、男性の中ではもともと活発であった島皮質の働きがさらに顕著となり、倫理観や自制心が利かなくなるほど相手に対して夢中となってしまいます。

いわば依存症ともいえるこのような状態が脳内で何度も生じてしまうと、不倫そのものに対する依存性も増してしまい、特定の相手がいなくても不倫をしたいという欲求を抑えられなくなります。どれだけ周りに批判されても不倫をやめられない人の脳内では、このような不倫に依存したいという欲求が高い状態が常態化していることが考えらえるでしょう。

朝の公園で仲良く手をつなぎのびのびしている4人家族

大脳にある旧皮質で欲求が生まれる

また、不倫をしたいという欲求について考える際には大脳旧皮質と呼ばれる箇所の働きについても知っておかなければなりません。

大脳旧皮質は、大脳のうち生存に対する欲求を生じさせる働きを持つ箇所を指します。生存に対する欲求とは、自身が生存しようとする欲求だけでなく、よい子孫を残そうとする欲求も含まれており、この働きが不倫にも大きな影響を及ぼすといわれています。

通常、生物は特定の相手とだけ性交渉をし、子孫を残すということはせず、できるだけ多くの相手と性交渉をし、よい子孫をできるだけ多く残そうとします。このことは生物の本能であり、その行動をつかさどっているのが大脳旧皮質となります。不倫をしてしまう人は、この大脳旧皮質の働きが活発であり、人間ならではの倫理観や自制心よりも、生物の本能である”よい子孫をできるだけ多く残そうとする欲求”が先行してしまっていると考えることができます。

一方で、不倫の原因を本能的な欲求とする考え方は、ただ貞操観念が劣っているだけの人間の言い訳にもされやすく、そのことを安易に受け入れてしまうのは避けるべきでしょう。

セーブできない!大脳辺緑系とセロトニンの効果

不倫を何度もしてしまう人には、理性をコントロールできず、自身の感情のままに行動してしまうという傾向もあるといわれています。このような説の根拠として挙げられるのが、大脳辺縁系とセロトニンという物質の関係です。

大脳辺縁系には喜びや怒り、悲しみといった感情を生じさせる働きがあるとされています。また、脳内で分泌されるセロトニンという物質には、これらの感情を抑制する働きがあるとされ、双方がうまくバランスをとることで人間の感情はコントロールされています。

しかしながら、不倫を何度もしてしまう人の脳内ではセロトニンの分泌が鈍化しており、感情がコントロールしづらい状態になっているといわれています。このような状態では、異性に対して好感を持った段階で気持ちが昂ってしまい、既婚者であっても理性が利かず、不倫へと走ってしまうこととなります。

また、セロトニンの分泌が鈍化している人の場合、表情が豊かであるといった特徴があることも多く、人から好感を持たれることも少なくありません。そのような点もまた、このようなタイプの人が不倫へ走りやすい原因のひとつといえるでしょう。

不倫をどうしてもやめられないという方は、自分の脳内にその原因があると疑ってみるのもよいかもしれません。その一方で、脳の働きが不倫の原因にもなり得るという事実は、一般的には知られていないので「私が不倫してしまうのは、脳内構造のせいだからしょうがないの」などと言い訳するのはご法度。自分の中での理解を深める程度にとどめておくのが賢明です。

ECRII編集部 荻野

ECRII編集部 荻野

年齢非公表の男性編集者。かつては小説家志望で、恋愛小説をもって、とある文学賞へ応募した過去あり。エビデンスに基づいた恋愛心理の分析や統計的にみた恋愛パターンなど、形のない恋愛だからこそ、もっと科学的、学術的に恋愛を掘り下げてみたいと密かに思案中。その一方で、著名人の恋愛報道や不倫スキャンダルなど、刹那的な恋愛時事ニュースも大好物という一面も。

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