奥さんが急に聞いてきたらかなり焦るワード「不倫」!その語源と意外なヒストリア

2018.3.29
床の間に不倫と書いてある掛け軸

「不倫」いかにも怪しいこの文字と響き…なにげなくいつも使っている言葉ですが、本当の意味はやいつごろから使っている言葉など案外知らないものです。「不倫」というこの言葉の語源と歴史について、調べてみました。

不倫を漢字から読み解く

不倫という言葉は本来、倫理から外れたこと、人の道から外れた、という意味があります。
この言葉を分解してみますと、不倫の「倫」は漢語では「仲間」「類い(たぐい)」という意味があります。「倫」は人間同士の関係が整理されたこと表し、「秩序」「道徳」という意味にも派生していました。「倫(道徳)に反する、という意味の「不倫」は、実は日本で作られた言葉で、明治以降に使われはじめた言葉なのです。

「不倫」というこの言葉は、「不倫する」という形では使われることがなく、本来の使い方としては「不倫な/不倫だ」といった用法でした。「不倫」は様子・状態を表す言葉で、行為・動作を表す言葉ではなかったのです。

この言葉が現在のような使われ方をしだしたのは、1980年以降、「金曜日の妻たちへ」という不倫を扱ったドラマからだと言われています。社会現象にもなったこのドラマから、「不倫」という言葉も市民権を得たのです。意外と思われるかもしれませんが、歴史の新しい言葉なのです。

明治時代に造られた日本橋

明治時代に登場する「不倫」という言葉

この「不倫」という言葉は、明治時代から使われはじめたとされています。その頃は、道徳に反する行為全般を指していたようです。

現在の「不倫」という意味では明治時代以前は「姦通」「不義密通」という言葉を使っていました。明治時代、不倫は「姦通罪」として罰せられていたのです。「姦通罪」とは婚姻して配偶者のある者が他の者と姦通したことで適用される犯罪のことでした。1880年(明治13年)に布告され、刑は死罪という重罪で、協力者も中追放か死罪でした。しかし、これは夫のいる身でありながら、不貞を働いた妻、つまり女性だけが罰せられるというひどいものだったのです。

この不平等な刑法は第二次世界大戦後の1947年まで続きました。日本国憲法で男女平等が定められ、姦通罪は同条に違反するとされ廃止になりました。江戸時代から明治にかけて妻のみにあった姦通罪は、現在は男性女性問わず、民法上の「不貞行為」として、夫、妻または不倫相手に対して権利侵害の請求という形の刑法となっています。

今からはとても考えられませんが、昔は女性に対して、ひどい不平等があったんですね。

ディスコのミラーボール

現在の意味としては1980年代頃から

上記のように、「不倫」という言葉ですが、昔は必ずしも男女の不貞を指す言葉ではなく、道徳に反することを指していました。

実は明治以降は「不倫」という言葉が一時消えていた時代があったのです。この「不倫」という言葉が男女間の不義密通として使われるようになったのは、既婚者たちの恋愛模様を描いた1983年のTBSドラマ「金曜日の妻たちへ」からだとされています。それ以前のテレビドラマでは「よろめき」という言葉を一般的に使っていました。

ちなみに「よろめき」という言葉は三島由紀夫のベストセラー小説「美徳のよろめき」に由来しています。よろめき、いかにも古風な響きではないでしょうか。しかし、「不倫」という言葉が市民権を得たと同時に、不倫をする既婚女性も多くなったように見受けられます。また男性の側からも、「不倫」という流行りの行為をしているということで、どこかカジュアルに不貞ができるようになったということもあるようです。言葉ができると、その言葉を裏付ける現象が増えるというのは興味深いところでしょう。

スカイツリーの夕景

不倫という言葉の『いま』

「不倫」という言葉が1983年ごろには流行りの言葉としてもてはやされた、というのは今から考えると不思議なくらいですね。

当然ですが、現在では「不倫」という言葉は特別珍しい言葉ではなくなっています。逆に社会的に糾弾されるきっかけともなることから、忌み嫌われる言葉となっているようです。しかし、不倫をする既婚者は後をたたないのが実情です。

その結果として、芸能人や政治家であれば、不倫が発覚した時点で、大騒ぎになるといっても過言ではないでしょう。現在のワイドショーなどでの取り上げ方をみてもそれは容易に想像がつきます。「不倫」をするのであれば、それなりの覚悟がいるのが今の「不倫」の現状でしょうか。また、このようなリスクを冒してでも、気持ちを抑えることができないというのであればその恋は本物、といえることもできるかもしれません。

「不倫」という言葉はこれからも、既婚者の心を惑わせる言葉であり続けそうです。

ECRII編集部 荻野

ECRII編集部 荻野

年齢非公表の男性編集者。かつては小説家志望で、恋愛小説をもって、とある文学賞へ応募した過去あり。エビデンスに基づいた恋愛心理の分析や統計的にみた恋愛パターンなど、形のない恋愛だからこそ、もっと科学的、学術的に恋愛を掘り下げてみたいと密かに思案中。その一方で、著名人の恋愛報道や不倫スキャンダルなど、刹那的な恋愛時事ニュースも大好物という一面も。

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