
不倫の露見は政治家生命を脅かすものであり、不倫をしていることが世間に知れ渡ってしまうと政治家は弁明に奔走しなければなりません。
一方で、頭の切れる政治家の中には、絶妙な言い訳で世間からの批判を跳ね返し、自身の地位を守った人物も存在します。
ここでは、政治家に限定した不倫の言い訳を3つ上げ、その発言に至った経緯や世間の反応などをご紹介します。
政治家ならではの不倫に対する考え方は、あなた自身の不倫に対する考え方を大きく変えるかも知れません!
ミッテラン仏大統領「それがどうかしましたか?」
1981年から1995年までフランス大統領を務めたフランソワ・ミッテランは、100人近くの愛人がいたともいわれ、女好きとして有名でした。
中でも大統領に就任する遥か前の1961年から愛人関係にあったといわれるアンヌ・パンジョさんとの関係は強く、大統領就任後も続いたといわれています。
1981年の大統領就任直後、ある記者がミッテラン大統領に対し、アンヌ・パンジョさんとの間に1974年に生まれた婚外子について質問する一幕がありました。
ミッテラン大統領はその質問に対し「それがどうかしましたか?」とだけ答え、そのやり取りはフランス国民の間で大きな話題となりました。
日本でこのようなことがあると世間は非難一色となりますが、フランス国民はミッテラン大統領の堂々とした振る舞いを好意的に捉え、不倫問題がそれ以上騒がれることもありませんでした。世間のこのような反応には政治家の私生活に干渉しないフランスならではの慣習が大きく関係していますが、不倫がバレても堂々と振る舞えばよいという考え方は、日本人にとっても参考になるかもしれません。

クリントン米大統領「不適切な関係を持った」
同じ大統領の不倫としては、第42代アメリカ合衆国大統領ビル・クリントンの騒動も世界中で大きな話題となりました。
クリントン大統領とホワイトハウス実習生だったモニカ・ルインスキーさんとの不倫疑惑が報じられるようになったのは1998年のことでした。
クリントン大統領はアーカンソー州知事だった1994年にも部下からセクハラ容疑で告訴された経歴があったため、その報道は一気に加速し、世界中を巻き込む大スキャンダルにまで発展しました。
クリントン大統領はその後、アメリカ史上2人目の弾劾裁判を受けるという屈辱を受けましたが罷免には至らず、不倫騒動は一度終息したかのように思われました。
しかしながら、その後モニカ・ルインスキーさんが大統領の精液がついたドレスの存在を明かし、DNA鑑定の結果、精液がほぼ間違いなくクリントン大統領のものであることが実証されました。
これによりクリントン大統領は「不適切な関係を持った」と、不倫関係を認めざるを得なくなり、支持率を大きく落とす結果となりました。

三木武吉「政治家は数人の女を喧嘩もさせずに操っていくぐらいの腕がなくてはならん」
近年の日本では政治家の不倫報道が過熱すると、その張本人はすぐに記者会見を開き、謝罪するというのがパターン化しています。
しかしながら日本の政治史を遡ってみると、現在では考えられないような対応をし、世間からの非難を跳ね除けた政治家も存在します。
1917年に衆議院議員に当選して以来、「ヤジ将軍」などの愛称で広く知られることとなった三木武吉。
議員になる遥か前の1907年に結婚をしていましたが、戦後の第25回衆議院議員総選挙の立会演説会にて、対立候補の福家俊一から4人の妾の存在を暴露されてしまいます。
これに対し三木武吉は「妾は4人ではなく5人である」とユーモアで応戦し、聴衆の爆笑と喝采を受けました。
それ以来、三木武吉はことあるごとに妾の存在について触れられました。
しかし、「政治家は数人の女を喧嘩もさせずに操っていくぐらいの腕がなくてはならん」などの名言で返し、不倫そのものへ対する大きな批判を受けることはありませんでした。

うまく切り抜けられるケースは稀
不倫疑惑がかけられた政治家のうまい言い訳を紹介してきました。
政治家にとって不倫報道は大きな痛手であり、うまく切り抜けられたケースは非常に少ないということも忘れてはいけません。
特に近年では、週刊誌での報道を発端とした政治家の不倫報道は頻繁にされていますが、そのような報道をされた議員の殆どは大きく信用を失い、いつの間にか表舞台から姿を消しているということも少なくありません。
また、今回紹介した事例は、時代や国などの条件が現在の日本とは異なるため、同じような言い訳をすれば難局を切り抜けられると考えるのも危険です。
特に昨今の日本では、不倫そのものに対する世間の目が大変厳しくなっています。
不倫がばれてしまうと、政治家でなくても社会的信頼を大きく失うというデメリットがあることは覚えておくべきでしょう。
そのため、不倫がバレた時の言い訳を考えるより、どのようにしたら不倫がバレずに済むのかを考えた方が賢明といえます。
不倫がバレてしまった際に堂々とした立ち振る舞いやユーモアで切り抜けられる人には魅力を感じるかもしれません。
それができる社会基盤には、その時代や国ならではの倫理観が大きく影響しており、現代の日本はそのような言い訳を受け入れるだけの余裕を持ち合わせていません。
そのため、女性の場合でも不倫がバレてしまったら、小難しい言い訳やユニークな切り返しは諦めて、正直に認め、早急に謝ってしまった方が問題を複雑化させずに済むかもしれませんね。
次回は「不倫の言い訳 –経営者編-」をご紹介します!
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ECRII編集部 高橋
25歳年上のバツイチ子持ち彼氏、単身赴任の上司との不倫同棲、など大きな声で言えない恋愛を乗り越え、同窓会で再会した同級生と昨年結婚。愛する夫とともに愛犬を愛でる日々を送る。自身の経験から、様々な形の恋愛に悩める人々に寄り添い応援したい、という思いを抱え、ECRIIを立ち上げる。